Interview & Text:Takuto Ueda
Photo:SHUN ITABA
Billboard JAPANが注目するアーティスト・作品をマンスリーでピックアップするシリーズ“MONTHLY FEATURE”。今月は、ハロー!プロジェクト所属のアイドルグループ、Juice=Juiceのインタビューをお届けする。
2013年の結成後、メンバーの卒業や加入を経て、現在は11人で活動中。2025年10月にリリースした最新曲「盛れ!ミ・アモーレ」がTikTokなどのSNSでバイラルヒットを巻き起こし、アイドルやインフルエンサーを中心に多くのユーザーがダンス動画を投稿、『THE FIRST TAKE』の一発撮りパフォーマンスにも登場するなど、人気急上昇中のグループとして注目を集めている。
今回のインタビューでは、リーダーの段原瑠々とサブリーダーの井上玲音が登場。それぞれの視点からグループの現在地と将来像をどのように見ているのか、話を聞いた。
――2月13日からハロー!プロジェクトの全楽曲がサブスクリプション型の各種音楽ストリーミング・サービスにて配信開始されました。当事者として率直に今、どんな気持ちですか?
段原瑠々:いちばんは「ついに!」という気持ちですね。私たちも日々、サブスクで音楽を聴くことが多かったので。ハロー!プロジェクト全体とすると半分くらい(の楽曲数)だったと思うんですけど、もともと先輩方の楽曲は一部配信されていて。私は研修生時代に℃-uteさんのコンサートに帯同させていただいていたので、普段からよくハロー!プロジェクトの曲を聴いているんです。ハロー!の楽曲でプレイリストを作ったりもするなかで、やっぱり自分たちや現役グループにも入れたい楽曲がたくさんあったので、それができるようになったことがうれしいです。
――どんなプレイリストを作っていたんですか?
段原:仕事用のを作っていて(笑)。ソロコンサートとかバースデーイベントとか、ハロー!の(楽曲の)中から選んでセットリストを組む機会があるんです。その流れが良い感じかどうか確かめるためにもプレイリストは結構作っていました。
井上玲音:私も、私生活でというよりは練習のために自分たちの曲を聴くことが多いんですけど、それって8割くらいはオケ(ボーカルなし)の音源なんですよ。なので、レコーディングで録った音源を日常的に聴くことに慣れていないというか、あまり実感が湧いていなくて。ただ、私たちはライブをしていくなかで歌い方が変わっていたりするので、配信されている音源を聴いたときに「そういえばこんな歌い方をしていたな」みたいな気づきもありますし、聴きたいと思ったときにすぐ聴けるのはやっぱりうれしいですね。

――おふたりは私生活でどのように音楽を楽しんでいますか?
段原:ヒット曲をまとめているプレイリストを聴いて、「これ良いな」と思ったら自分のプレイリストにも入れたり。あと、ボイトレの先生からおすすめの洋楽を仕入れて聴いたりしています。
――グループ内でおすすめを共有したり?
段原:時々あります。
井上:でも、個人間でやるから大々的に「この曲聴いてー!」はないよね。
――最近よく聴いている曲はありますか?
井上:最近というか、ずっとなんですけど「かもめが翔んだ日」(渡辺真知子)。
段原:好きだよねー、ずっと。
井上:いつもライブ前後に歌っているので、その場にほかのグループの子がいると釣られて歌ってくれます(笑)。Juice=Juiceの中では、もはや「また歌ってる」とも言われないくらい当たり前の日常なんです。
――ある種のルーティンなんですね。段原さんはいかがですか?
段原:私は90年代のラブソングが結構好きでいつも聴いています。ハロー!全体のコンサートだと何組かで出演するので、「ちょっと歌い足りないな」と思うときが若干あって。そういう日は、帰りのバスでカラオケ大会が始まります(笑)。
井上:それこそ「何年代にヒットした曲」とかで選曲して、ふたりで爆音で歌うんです(笑)
――おふたりが日頃からサブスクを大活用していることがよく分かりました(笑)。そうやって多種多様な音楽を自由に聴ける時代だからこそ、ハロー!のサブスク解禁も多くのリスナーが待ち望んでいたのではないかと思います。
井上:ニュースになっているのを見て「ああ、この中に自分たちの曲もあるんだな」ってちょっと不思議な感覚になりますね。
段原:そうだね。
――これがきっかけでJuice=Juiceの音楽に初めて触れるリスナーもいると思いますが、そういった方々に「これは聴いて」「こういうところに注目して」と伝えたいものがあれば教えてください。
段原:やっぱり「盛れ!ミ・アモーレ」が今はすごく盛り上がっているので……「盛れミ」だけで4形態かな?
井上:そうだね。
段原:その4形態がJuice=Juiceの人気曲ランキング上位を独占しちゃっているんですけど、今のジュースって、ライブで炎を使った演出が特徴的だったりして、情熱的なパフォーマンスが得意分野なのかなと思っていて。でも、もともと女性の強さだけじゃなく、ちょっと弱い部分を歌った曲も結構多いんです。ちょっと抑えた表現というか。それこそ「盛れミ」のシングル両A面だった「四の五の言わず颯(さっ)と別れてあげた」とか、ああいう表現ができるのもうちの強みなんじゃないかなと思いますね。なので、この2曲はセットで聴いてほしいです。
井上:今のジュースは人数が多いので、どれが誰の声か分かったらすごく楽しいんじゃないかなと思います。人数が多いからこそいろんなユニゾンが聴こえてくるし、そのなかで「この子とこの子の声、親和性あるな」とか、自分たちも曲を通して知ることがたくさんあるんですよ。
――歌声の個性もさまざまですよね。
井上:あと、ジュースのレコーディングは事前に歌割りが決まっていなくて、それぞれが歌ったテイクの中から良かったところを抜いていくオーディションみたいな感じなんです。どこが使われるか分からないからこそ、音源ならではの気合いがありますね。でもライブだと、前の人が歌い方を変えたら、それに引っ張られて自分の歌も変わったりして、同じ曲でも違う歌のように聴こえることがあって。そういうところも楽しいなと思います。

――「ここが採用されてうれしい」みたいなのはありそうですね。
段原・井上:いっぱいあります!
井上:「ここ、すごく歌いたかった~!」とか。
段原:「やっぱここは(あの子が)似合うよな~!」とか。歌割りをいただく瞬間は結構ソワソワしますね。
――その点で「盛れミ」の歌割りにはどんな手応えがありましたか?
井上:サビなんですけど、私とディレクターさんの解釈が違った部分があって。なので、2パターン録ったんですよ。情熱的でライブ感のあるパターンと、この曲は失恋した子の曲でもあるから、ちょっとニュアンス系のパターン。そこはどっちが使われるかわくわくしました。
段原:私も「盛れミ」は結構ちゃんと“失恋ソング感”を出そうとした記憶があります。あと、(有澤)一華と(工藤)由愛ちゃんの歌い出しは、今までにあまりなかった組み合わせで。でも完成した音源を聴いて、曲との相性とか、ふたりの相性の良さが「めっちゃ分かるなぁ~!」と思いました。「この後どうなるんだろう」って続きが聴きたくなる感じ。
――ライブの盛り上がりもすごいですよね。初披露のときから手応えは感じていましたか?
段原:初披露がハロー!全体のコンサートだったので、ディレクターさんからも「ぶっ飛ばしてこい!」「見せつけてこい!」みたいなことを言われて、私たちも「やるぞやるぞ!」って猪突猛進で行ったら「やり過ぎだ」と言われました(笑)。
井上:あははは!
――(笑)。
段原::「(マイクの)音が割れるからちょっと抑えて」って言われたんですよ。でも、それくらい初披露のときは気合いが入っていたし、そうすると、歌っていて私たちもニコニコしてくるんです。すると、1番のサビくらいから、見てくださっている人たちも“わくわく顔”みたいなものを見せてくれて。「すごく楽しそうだな」「ノッてくださっているな」というのは感じていました。その半月後くらいに海外公演(【Juice=Juice Concert 2025 Crimson+Azure】)があったんですが、そこで皆さんが団結してコールをしてくれるようになって。現地の方々も「なんだそれ」みたいな感じで乗ってきてくれて、それで日本に帰ってきたらすごいことになっていた……という感覚でした。
――そのライブ感もひしひしと伝わってくる『THE FIRST TAKE』のパフォーマンス、収録はいかがでしたか?
井上:現場で初めて合わせるところもあったりして、緊張がすごかったです。初披露の緊張感とはまた違ったソワソワ感が、自分としては結構久しぶりで。間奏で一華のバイオリンと私のビートボックスでセッションしたんですけど、ほぼリハーサル無しで収録しました。だから、どんなリズムで弾くかも分からなかった(笑)。「合わせようね」みたいには言っていたんですけど、なんかもうバタバタしていて。もともと打ち合わせのときはバイオリンだけの予定だったんですけど、TikTok用にビートボックスを撮影していたらメンバーとディレクターさんに「それやってほしい」と言われて、急遽決まった感じでした。えば(江端妃咲)のサンバホイッスルも、いろいろ決めていくなかで「ここで吹いたら面白いよね」みたいな感じで当日、初めて持ってきてもらったり、今のJuice=Juiceをいろんな人に届ける機会だからこそ「詰め込んでやろう」って感じでした。
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